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zoom RSS 言霊(ことだま) by 稲角尚子

<<   作成日時 : 2017/02/13 11:11   >>

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あこがれの信州暮らし その155(2017年2月)

 言霊(ことだま)

  稲角尚子

 連日、トランプ米大統領の発言がトップニュースで報じられています。難民や中東・アフリカ7カ国の国民の入国を一時禁止した大統領令をめぐる発言です。あぁ、こういったニュースをアメリカの子どもたちは、どんな風に聞いているんだろう、と胸がつぶれるような思いです。周囲の大人たちの微妙な空気を察知して、「テロは恐いから仕方がないよ」とか、あるいは「差別はよくない!」とか、身近な大人の言葉そのままに言ったりもするんだろうか。

 「言葉」ってコワイとつくづく思います。「言葉」によって慰められたり、勇気づけられることもあれば、「言葉」によって傷つけられたり、憎しみが生まれることもある。子どもは、大人よりずっと繊細に感じとっています。だからこそ、「親」も「教師」も・・・「大統領」も、よく考えて発言しなくてはなりません。

 私は子育て中に、親である自分たちのすべてが問われていると感じることが多々ありました。親である自分たちがどんなふうに子どもに語りかけたか、子どもがそれをどんなふうに受け取っているかを知るたびに、身の引き締まる思いがしたものです。

 たとえば、保育園でも小学校でも決して先生の言うとおりには行動しなかった(教師から見ると、極めて扱いにくい子どもだった)上の息子。私たち親は保育士さんや先生方に頭を下げながら、息子には「どうしたかった
ん?」と尋ね、「そうか、気持ちはわかる。でも、そういう時はこんなふうにやったらどう?」と提案してきました。そして「アンタのいいところは、『自分がこうしようと思ったら、あきらめずに最後までやり遂げること』やね」と言い続けました。こんなタイプの子に「強情だ」「協調性がない」「とにかく言うことを聞け」と言っても通用しないだろうと感じたからです。本当にそう言うしかなかった。

 ある日、息子が学校で書いた「ぼくのいいところ」という作文を持ち帰りました。そこには「ぼくのいいところは、自分がこうしようと思ったことはねばり強くやれることです」と書いてありました。いやもう、驚きましたね。親が繰り返し語ったことが、いかに子どもに影響を与えることか!

 良い言葉は良いことを引き寄せ、不吉な言葉は凶事を起こすという「言霊」をそっくり信じるわけではないけれど、どういう「言葉」を発するかで言う方も言われる方も状況は大きく変わるような気はします。子どもの良いところを褒め続けていたら「豚も木に登る」し、欠点を指摘して叱り続けてもなかなか改善できない。時に、際限なく愚痴を言いたくなる「介護」であっても、身体的・時間的大変さや精神的苦痛を言い合うことで少し楽になることも確かにあるけれど、かえってウンザリ感や疲労感が増すこともある。

 亡き母は、末期ガンと言われてからも一人暮らしの高齢者に食事を作って届けるボランティアを続けていました。「無理しないで」と言う私に、母は「役に立つことがしたいったい。それが私の喜びやけん」と言いました。末期ガンでも普通の生活を続けた母。・・・自分の「言葉」が母を支えたのかもしれない。

 4年前の年末に郵便局でミリオンスター(カランコエの一品種)の小さな鉢(直径6cm)をもらいました。毎年ぐんぐん生長し、今年はなんと高さ40cm! 毎冬「よく咲くよねぇ!」と褒めて話しているからでしょうか、ちょうど今、食卓テーブルの上で満開です。植物だって「言葉」がわかるんだ! 
子どもたちに、人種や宗教を超えて信頼しあえるってことを伝えたい。

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