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zoom RSS 先の事は考えない? by フジサワ ユウイチロウ

<<   作成日時 : 2017/03/29 21:15   >>

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先の事は考えない?

 フジサワ ユウイチロウ

 カオハガンは採集狩猟の島だった。

 フィリッピン・セブ島の横にあるマクタン島の空港から車で30分の港から小さな舟でやはり30分くらいの所にある。ゆっくり歩いて一時間もあれば一周できる小さな島だ。そこに600人くらいの住民が住んでいる。一年中温暖な気候でそれほど暑いとは感じなかった。むしろ、海沿いのロッジは常に風があって涼しいくらいだった。高床式のロッジの床は竹で編んであるので風がよく通る。壁も屋根も島の草で編んだものでできている。

 しいて言えば観光業が収入源だが、島民一人当たりの収入は世界で最も低いという。それでも島民はゆったりと暮らしている。

 島は大きな環礁に囲まれていて、潮が引いた時はかなり遠くの島まで歩いていけるくらいだ。干潮時には多くの島民がバケツを手に貝などを拾っている。お米は島外から買ってくるが魚介類はだいたい自給しているらしい。昼時にくる中国の観光客にお土産や魚介類を売ったり焼いて食べさせたりしているが、それは島外から仕入れている。

 農業らしきものはほとんど見なかったが、お祭りのために豚を飼っている。闘鶏もたくさんいた。賭けに負けるとやはり食べてしまう。

 崎山さんという日本人が30年くらい前にこの島を買った。ただ、外人がフィリッピンの土地を買うことは禁じられているので、法人を作って購入した。その法人の株も4割を超えてはいけない。現地の不動産屋に薦められて共同で買うことにしたらしい。と言っても島民の居住権は補償している。持続的で環境にやさしい暮らしを共に維持していくという約束で暮らしているという。10棟くらいのロッジとバンガローと母屋で宿泊業をしている。客は主に日本人だ。入れ替わり立ち代わり日本人が来る。セブ島からも日帰りでココナッツオイル作りのツアーに若い女性がきた。

 日本人スタッフも二人いた。島が気に入って島の男性と結婚した女性である。現地スタッフの作る食事はたいへんおいしかった。崎山さんや他の客との会食も楽しかった。潮干狩りと保護区でのシュノーケリングに参加した。水も綺麗でサンゴや魚の種類も豊富だった。しかし、近くの浜辺は貝も取りつくされていて素人では見つからないが、島民が掘るとなぜか出てきたりする。

 私はほとんど寝て暮らしていた。なんだか眠くなる島だった。ロッジの前の砂浜から見る夕焼けと朝日は雄大で星空も安曇野以上に綺麗に見えた。

 日本人の女性と結婚して日本で有機農業を始めた島民もいるらしい。しかし、今は離婚して工場で働いているという。その理由が衝撃的だった。「農業は先のことを考えなければいけないから嫌いだ」というのだ。島にいれば貝を拾ったり魚を釣ったり、その日の糧さえあれば生きて行ける。家も服もたいしたものはいらない。例え台風が来て家が飛ばされても流れ着いた材料ですぐ立て直してしまえるのだという。その日その日を楽しく生きられればいいということだろうか?まだ痛みが残り今年の農作業はどうしようか、と悩む私にとってはうらやましい限りである。黒魔術で治療する時間がなかったのも残念だ。

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